これまで気にならなかったのに、急に目の下にクマができたらショックですよね。クマがあるだけで、目元が疲れて老けた印象になってしまいます。「心当たりがないのに、急にクマができてしまった……」という方のために、クマができる原因と対策方法をまとめました。
■急にクマができる原因
クマの原因は疲れだけではありません。急にクマができてしまった場合に考えられる原因を紹介します。
○疲れているまたは寝不足
疲れやストレス、睡眠不足によって血行不良に陥ると、クマができやすくなります。目元は皮膚が薄いうえに毛細血管がたくさん通っているデリケートな部分。滞った血流が皮膚に透けることでクマになってしまいます。
○アレルギー
疲れていないのに急にクマができた場合は、花粉症をはじめとする季節性アレルギーによるクマかもしれません。アレルギーの発症で分泌される「ヒスタミン」という化合物には、血管を拡張させるはたらきがあります。目の下を通る静脈が広がることで、皮膚の上から血管の色が透けてクマになってしまうのです。
○紫外線
紫外線によるダメージも、急に現れるクマの原因。肌が刺激を受けるとメラニン色素が増加し、皮膚が茶色っぽくくすんでクマになります。目の下は意外と紫外線がよく当たるポイントなので気をつけましょう。
さらに、紫外線は肌にあるコラーゲンを破壊し、たるみを引き起こします。目の下の脂肪がたるんでできた影も、クマの一種です。
○老化
年齢とともに肌は弾力を失い、筋肉も衰えていきます。これは目の周りにある筋肉(眼輪筋)も同様です。
筋肉の支えが弱くなると、皮膚や脂肪が下がってきてたるみを作ります。たるんだ部分の影が黒っぽいクマになるのです。
○遺伝
生まれつき目の下の皮膚が薄い人は血管が透けやすく、ちょっとした血行不良ですぐにクマができてしまいます。血行不良が慢性的に続いて血管そのものが弱ると、さらにクマができやすくなってしまうでしょう。
また、「眼窩周囲色素沈着過剰」という疾患の可能性もあります。皮膚科でよく見られる症状で、メラニンが多く含まれた肌へ、目の周りに過剰に色素が定着することで起こります。
■黒クマの原因と対策
たるみによる影でできるクマは「黒クマ」と呼ばれます。鏡を持ったまま上を見たとき、クマの色が薄くなるようなら黒クマです。
○加齢が原因
黒クマの主な原因は加齢。目のすぐ下にある筋肉が衰えてゆるみ、脂肪がたるんで前にせり出すことで、目の下に影ができます。肌の色そのものが変わっているわけではないので、上を向くと影の部分に光が当たってクマがなくなるのです。
また、黒クマは、皮膚のたるみが同時に起きているケースがほとんど。加齢によって皮膚のハリを保つコラーゲンやエラスチンが減少し、たるんだ部分にうっすらと影ができます。
○表情筋をストレッチする
黒クマの改善に有効とされているのは、表情筋のトレーニング。特に目の周りにある眼輪筋を鍛えることで、目元のハリを復活させる効果が期待できます。
手軽なのは、目を閉じたり開けたりするストレッチ。まっすぐ前を向いた状態でまぶたを大きく目を開き、まぶしいときのように細めるのを繰り返します。このとき注意したいのは、眉やおでこが動かないようにすること。眉が動いてしまう場合は、目の開閉におでこの筋肉を使ってしまっています。目の周りを意識しながら練習してみてください。
■茶クマの原因と対策
紫外線による色素沈着でできるクマは「茶クマ」と呼ばれます。黒クマと違って肌表面に色がついているため、肌を引っ張るとそのままクマも移動するのが特徴です。
○紫外線のダメージや摩擦が原因
肌がメラニンを作るのは、外部からの刺激による防御反応です。紫外線以外に、クレンジングや洗顔で目をこすることでも、炎症性の色素沈着が起こります。目がかゆくてこすってしまったり、メイクやスキンケアをするときにチップやパフで何度もこすったり……といった刺激も同様です。敏感肌やアトピーの人がなりやすいでしょう。
○美白ケアと保湿
すでにできてしまった茶クマには、美白化粧品を使ったスキンケアがおすすめ。美白成分としては、メラニンの生成を促進する成分を抑える「アルブチン」や、紫外線による炎症を防ぐ「トラネキサム酸」などが知られています。
<表:主な美白有効成分>
茶クマはなかなか消えないため、日ごろの予防がもっとも大切。こすらないこと、UV対策をきちんとすることを意識し、肌を刺激から守りましょう。
■青クマの原因と対策
睡眠不足やアレルギーによるクマは「青クマ」です。皮膚の下の血管が透けて見えている状態なので、色が青っぽく、表面の皮膚を引っ張ってもクマが動きません。
○睡眠不足やストレス、冷えが原因
青クマの原因は血行不良。目の下は皮膚が薄いため、睡眠不足やストレス、冷えなどで血流が滞ると、すぐに見た目に表れてしまうのです。
睡眠不足や疲労で交感神経が優位になると、血管が収縮して血液の流れが悪くなります。また、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンにも、血管を狭くするはたらきがあります。
○温めやマッサージが効果的
青クマを解消するためには、目元の血流を促すことが必要です。湿らせてからレンジで加熱した蒸しタオルと、氷水に浸して絞ったタオルを用意して、交互に目元に当てましょう。血管が温められて拡張し、冷やされて収縮し……というのを繰り返すことで血液が循環しやすくなり、血行促進が期待できます。時間がないときは温かいタオルだけでも大丈夫です。
温めのほか、美容液やマッサージクリームを使って優しく目元をもみほぐすのもおすすめ。こすりすぎると茶クマの原因になるので注意してください。